別の視点から捉える通訳の仕事
外国語通訳は減っていく
今まであった通訳の仕事は減っています。みなが英語を勉強しているのでわざわざ通訳を必要としていない、ということもありますが、翻訳サイトの向上や、スマホを通しての通訳機能が向上しているということが大きい。
一昔前は、英語を使う仕事といえば、通訳、翻訳、学校の先生と言われましたが、これから残る仕事は学校の先生だけで、通訳や翻訳は減っていく一方です。
ただ、最近考えているのは、通訳とはわからない外国語を伝えたり、必要な場合は要約をして意味を伝えることですが、これはむしろ自分の国の言葉の中に多いのではないか、ということです。
自国語通訳が増えていく
例えば、最近増えているビジネスキーワード、トレンドキーワードに「AI」「IoT」「シェアエコノミー」「ギグエコノミー」「ビットコイン」「トークンエコノミー」「クラウドファンディング」…など、
日常であまり使わない言葉ってありますよね。でもビジネスの世界でバリバリ働いている人は誰もが知っていて、「それって何?」と聞くと、さらにわからない言葉を使って説明されるんです。これってほぼ外国語みたいなものじゃないですか?相手が何を言っているのかわからないわけですから。
例えば5才くらいの子供からすると、大人と会話をしようとすれば、会話はできます。でも、大人同士が会話をしているところが入ろうとすると、会話にはまず入れません。大人同士が使っている言葉が、子供にはわからないのです。
これは、英語をかじった人が、外国人と1対1なら多少、会話ができてもネイティブ同士やネイティブグループの会話に入ろうとすると、とてもついていけないのと同じです。
それは使っている言葉が難しいからです。1対1なら相手がこちらの言葉レベルに合わせてくれますが、ネイティブ同士だとそんな気遣いはありません。
それは日本語に置き換えた時も同じです。難しい言葉はわからない。それなら、難しい言葉を上手に訳してくれる人がいるなら、それはビジネスになる、職業になる、スキルになるということです。
池上彰さんはある意味での通訳者
その考え方から言うと、テレビ業界には上手な通訳者が多い。池上彰さんはニュース内容を、丁寧に、上手に伝えることがうまい。みんな普通にニュースを見ていても、実はよくわかっていないことが多いですよね。特にそれは言葉が難しいことが多く、説明が少ないからです。
それを池上彰さんは、ゆっくり丁寧にわかりやすく説明してくれます。その言葉の意味をまるで小学生に説明するように解説してくれるんです。これは大人にはありがたい。
テレビに出ている人、学校の先生もそうですが、とにかく難しい言葉を、わかりやすく上手に説明して、意味を伝えられる人は、これから活躍できる人であり、求められるスキルである、と言えるのではないでしょうか。
外国語を通訳するよりも、難しい言葉や内容をかみくだく、わかりやすくする、例えを使う、要約する、そういった表現能力のほうが会社、社会に求められる能力だと思うのです。
その点、テレビによく出る芸人さんは話が上手です。本来であれば、大したことがない話でも、それを芸人さんが変換、通訳をすると、ものすごく面白いことに聞こえるのです。
一流芸人さんのようなレベルになると才能の世界かもしれません。しかし、日ごろから新しい言葉に敏感になり、言葉の意味を勉強し、どうすれば効果的に人に伝えられるかを常日頃から考え、芸人さんのような会話のプロの話し方のパターンを分析したりするなど、自分なりの研究をすることで、レベルアップをすることはできるはずです。
自国語通訳を目指そう♪