マンガ「闇金ウシジマくん」を読んで感じたこと
かなり強烈です。世の中の実は身近にある黒い部分、裏の部分が見えるマンガでした。今まで読んだことがないようなタイプの本で、軽い気持ちで読んだらカウンターパンチをくらいましたw
文字通り闇金の話なので、お金に困った人たちがやってきてお金を借りていきます。しかし、利率は10日5割の「トゴ」なので皆、返済できずに借金地獄に苦しむことになります。
その多くが、パチンコや衝動買いといった人の少しの欲望が引き起こした結果として描かれています。かなり怖いです。読んでいて、自分とは無縁の話だとは思えないと感じてしまうんです。
自分とは無縁だと思っていても、それが家族や友人に忍び寄る魔の手かもしれない。それが結局は自分に不幸として降りかかってしまうのではないか。読みながらそんな恐怖にかられ、しかし、一方で登場人物の生き方に感情移入し、マンガに引き込まれてしまいます。
これは個人的にはR15くらいで良いんじゃないじゃと思ったくらいです。グロいシーンや性的な描写が多いわけではありませんが、ついつい読み進めてしまう一方で、心に重い何かが残る作品です。
自分はどう欲望と向き合えば良いのか、といったことを考えさせられます。人は多くの欲望があり、それらをコントロールして社会生活を営んでいます。それでも、「つい」手を出してしまう。魔が差してしまう。それは、誰にでも起こりうることであり、起こりうるがゆえに、それに抗う術や知恵が必要になります。
多くの欲望は日常の至るところに潜んでおり、ささいなことから、人生を一変させることまで様々です。例えば、食欲です。生活習慣病が問題になる中で、毎日健康な食事を送ることが望まれますが、なかなかコントロールができず、カロリーの高いもの、油もの、甘いお菓子、に手が伸びてしまい、健康を損なったり、過剰摂取によって、食費が膨大にかかってしまう人もいます。
お酒もその一つです。アルコール依存症になり、体を壊したり、正常な判断ができないような状態になり、例えば飲酒運転を引き起こしてしまったりすれば、自分にとっても、被害者にとっても一生の問題となります。
性欲も人間の3大欲求の一つであり、扱いを誤れば破滅を招いてしまうものです。体を大切にする、という観点もそうですし、風俗に通いつめるようになると当然お金がかかります。
闇金にまで手を出すかどうかは自分次第ですが、食欲と性欲との上手な付き合い方ができるかどうかというのは、工夫次第です。自分の行動をかえりみず、欲求のままに突っ走ってしまっては、いつかリアルな「ウシジマくん」にお世話になってしまうかもしれません。
闇金ウシジマくんを読むことで、自分の欲求、そしてそれに関わるお金のことを深く考える機会となりました。