「半年だけ働く。」(村上アシシ著)を読んで
著者の村上さんは一年のうち、半年はサッカーと旅行に使うそうです。なんて羨ましい!コンサルタントを生業としており、半年前後で仕事を変えているのでこんなことができるんだそうです。
日本人は会社勤めで考えると、2週間以上の休みを取るなどほぼ不可能です。でも、一度長期期間の休みを経験すると、価値観が変わり、そういう生き方をしたいと思うようになるかもしれません。
ドイツであれば、遊ぶために働く!という考え方です。仕事にメリハリをつけ、ワークライフバランスを上手にこなしている、といったところでしょうか。
私は、今まで仕事に苦労をして精神的に病んでしまった人たちをたくさん見てきたので、休みをしっかり取るということ、生産性を高めた働き方をすることがいかに大切かということを感じています。
著書名通り、「半年だけ働く。」のは独立をしなくては無理です。しかし、独立をすることには不安定が付きまといます。毎月自動的に給料が振り込まれている社員の方からすれば、かなりハードルの高いことだと言えます。家族とローンを抱えているのであればなおさらです。
ただ、一方でこれから多くの会社は倒産、合併、縮小、早期退職、リストラを繰り返し、経済の新陳代謝が始まります。というよりもすでに始まっています。会社にいながらも転職や起業に向けた準備と行動に取り掛かる必要があるのです。
著書では、サラリーマンで培ったスキルを活かした起業を勧めています。新たにスキルを取得する手間や資金が必要ないことが大きい。もちろん、職によって起業ができるものも、できないものもありますが。
また、新卒でいきなり起業するのではなく、一度は企業勤めをすることも勧めています。何のスキルも人脈もなく起業するにはリスクが大きすぎるからです。一度、会社に入れば研修など含め、社会人としての基礎を培うこともできますし、特別なスキルやマネージメントなどを学んでいくこともできます。
会社で経験を積んだ後に起業するのであれば、リスクを減らすことができます。せっかく大学を卒業したのであれば、一度は会社勤めを経験しておくことは有意義なものとなります。
しかし、会社勤めをしていることに目的がなく、ただ会社にぶら下がっていることは一番のリスクです。あくまで目標は「起業をして自由な時間を手に入れること」です。自由な時間があれば、それを仕事やプライベートなどでどのように配分していくかを自分で決めることができるからです。
著書であれば、「半年だけ働く。」ということになります。私の場合は「週で30時間働く」です。英語教室を開いており、夕方5時から9時くらいまでの間に働いています。また、複業をしている時もあるので、場合によっては週に40時間ほどになり、会社勤めの方々と同じくらいの時もあります。
ただ、私の場合、自宅を教室にしているので通勤時間はゼロです。授業は予約制にしているので、年間スケジュールの中で好きな期間を長期休暇にすることができます。会社勤めの場合、長期休みはGWやお盆、年末年始などに集中するため、どこに行くにも混雑してしまう、ということがあります。
会社員を経験しておく、ということは一つの良い経験となりますが、AIやロボットによって多くの仕事がなくなると想定されている今の時代です。起業や転職に向けて、準備と行動をすることは、危機回避のみならず、自由な生き方をするためには必要不可欠なことのように思えます。