世の中に求められるスキル:料理人の能力について考えてみる
栄養価の高い本、美味しい本
図書館や本屋にいくと当然、たくさんの本があるわけですが、大きく分けると栄養価の高い本と、美味しい本に分かれます。わかりやすくいうと栄養価の高い本というのは、ビジネス書や哲学書、学習参考書や、文学書など、活字本です。一方で美味しい本は、マンガです。子供でも読みやすいような本です。絵本も入りますね。
活字本は教養がつくものや、ビジネスのヒントになるものなど、人生の役に立つものが多いので、栄養価が高いとしています。脳への栄養となるわけですね。マンガだってもちろん人生の役に立つものはいくらでもあるわけですが、どちらかというとそれ自体を楽しむことが目的の場合が多い。
子供は勉強になるからマンガを読むのではなく、とにかく内容が面白いから読むわけです。ラーメンを食べるのは、栄養をとるためではなく、とにかく美味しいからという場合が多い。
本を決める要素はこの、栄養価と、美味しさなわけです。作家、マンガ家、出版社、編集者、本が書店に並べられるまで様々な人が本を作り上げていくわけですが、例えるならこれらの人は皆、料理人です。
栄養を重視する場合もあれば、美味しさを重視する場合もある。両方のバランスをとる場合もあります。これは料理人にとって腕の見せどころなわけです。
最近では、栄養価よりだった本でも、写真やマンガを使い、美味しく仕上げる本が増えてきました。栄養がたくさんあっても、苦いだけならあまり人気は出ないわけですね。
かといって、美味しいだけの本でも、子供にしっかり栄養を与えたい親としては困るわけです。ポテチもいいけど、野菜も食べなさい!と言いたい。
本を作る側も大変ですが、これからは上手に料理をしてあげないと、人気の料理店にはなることは難しい時代に入っています。
新しい調理器具がたくさん出てくる
料理をする時には、食材のみならず、調理器具も多様なものがたくさん出てきましたが、これからは調理器具がさらに出回るようになってきます。本の業界でいうと、タブレットやキンドルが新しい器具として登場しました。
今まではフライパンで焼いていただけであったのが、鍋の登場で煮込むことができるようになったイメージです。食材の中には焼くことで活躍できていたのに、鍋が登場したことで、別の食材が活躍し始めているわけです。焼かれていた食材からすればたまったもんじゃありませんね。でも、こういうことがこれからはたくさん起こってくる世の中になるわけです。
電車で新聞を読んでいるサラリーマンはほぼ見かけなくなりました。みな、スマホを使っています。これからは食材という専門性に加えて、器具をいかに使いこなしていくかで、料理のクオリティが変わってくる時代にありますんですね。
究極の調理器具?
最近では、恐ろしい調理器具ができようとしています。栄養や美味しさを考慮した上で、切る、焼く、煮込むなどのあらゆる方法を使い分け、勝手に料理をしてくれるトータルロボット。そう、AIです。
AIは基本的に万能に近くなっていきます。自分で動き、勝手に料理をしていく。人間よりも速く、正確に。では、人間はAIロボットに勝てないのか?速さと正確性では勝てません。絶対に勝てません。ボルトだって車より速く走ることはできませんから。
でも、例えば和食であれば、見た目の華やかさや飾り付けなどが他国と比べても圧倒的です。フランスでも食の文化は根強いですが、食の楽しみ方が様々なのです。AIロボットと人間が勝負した時に、ロボットがプログラムされたのが栄養と美味しさの追求である場合、ロボットは確かに最高級の料理が作れるでしょう。
でも、人間側が、食べる人間のことを考え、アイデアを出し、見た目も華やかな飾り付け多い料理を提供した場合、それは大きな付加価値となります。多少、ロボットよりも時間がかかったとしても、です。
つまり、アイデアを出したり、食べる側の人間のことを考えたり、独創的な表現ができるのは初めに人間がいるのです。ロボットは人間の模倣です。そこが人間とロボットの大きな違いとなります。
その点を理解した上で、それでもロボットの活用は広がります。AIを知り、人間が自分たちにできることを知った時に、より多くの人を幸せにする方法が見つかります。
本と料理を例えに使いましたが、これからは今まで普通に使ってきたものをうまく組み合わせたりすることで新しいものを生み出すことで付加価値を生み出すことができる能力があると非常に役にたつスキルとなります。
食材には栄養がありますが、そのままかじっても美味しくありません。栄養がある上に、美味しくて、しかも見た目も楽しめる。そんな料理(商品やサービス)を生み出せる料理人が増えるといいな、と思います♪