ドラマ「リッチマン、プアウーマン」の魅力（ネタバレなし）

そこそこ前のドラマになりますが、「リッチマン、プアウーマン」をご存知でしょうか。小栗旬、石原さとみ主演です。勝手にですが、僕の中では、ドラマベスト10にランクインしています。かなりおすすめです。

今まで、ありそうでなかったストーリー、世界観、があります。まず、小栗旬演じる日向徹がすごくかっこいい。一話の一番初めに、まるでシリコンバレーの成功者のインタビューのような場面があり、まずいきなりこれはドラマ？と思わせるような演出がある。「逃げ恥」もそうでしたね。いきなり情熱大陸ですから。まるでドキュメンタリーです。

実際にストーリーが展開していくと、題名の通り、ITのビジネスで大成功している日向徹と、就活さえうまくいかない大学生の夏井真琴（石原さとみ）が非常に対照的、でもそんな二人の絡みが見ていて、面白い。

最終的に、社長の日向徹は自分で作った会社を追い出されます。その日向徹に夏井真琴はついていく。恋愛要素はあるのですが、あくまでそこはメインじゃないんです。決してメロドラマではなく、お互いにパートナーとして認め合っている、といった感じ。

なんでこんなドラマが今まで出てこなかったんだろう、って不思議に思います。とにかく見ていて元気になるというか、テンションが上がるドラマです。

このドラマを見ていると、実際にアメリカの会社で起こった出来事と似ている、と気づきます。そう、アップル社のスティーブ・ジョブズです。自分で会社を起こし、自分で作った会社をクビになる。でも、そこでめげずに、あくまで自分の好きなことに没頭し、再起を果たします。

このドラマには、特に男性が憧れを持ちやすい世界観になっています。社長は若く、IT企業で大成功。言いたいことを言い放題。会社の雰囲気は、言葉で表せないくらい洗練されています。

もっとこういうドラマが増えてほしい。今まで、女性が憧れるようなストーリー性のあるドラマはたくさんありました。石原さとみは、今までも女性が憧れるようなキャラクターをたくさん演じてきました。

しかし、なぜか男性目線が少ない。特に一般企業となるとなおさらです。IT企業といえど、あくまで基本はオフィスワーカーです。そこに焦点をあてているのに、あそこまで華やかに描いけていることがすごい。

そういう意味では、「逃げ恥」もそういう要素が多い。新垣結衣は家事代行サービス、星野源はIT企業の社員です。特に華やかな職種というわけではないのに、惹きつけられる「何か」がある。

ドラマが視聴者に与える影響は大きいです。「半沢直樹」がヒットすれば、銀行員に憧れ、「コードブルー」がヒットすれば、医療関係に進みたい！と考える人も増える。アニメで言えば、スラムダンクを見た少年がバスケを始める。

これから日本を元気にするのは、こういったロールモデルだと思います。ドラマなので、もちろん大げさでいいんです。でも、一見地味なものをあらゆる角度で捉えなおすことで、多くの人を惹きつけ、大きな影響を与えることができる。

視聴者は、自分のロールモデルを見つければ、目標に向かって、勉強や仕事などに没頭することができる。

今回取り上げたリッチマン、プアウーマンは、設定が「スタートアップ」、つまり起業して間もない会社のサクセスストーリーでした。正直、日本はこういったIT人材、起業人材が乏しい。企業での長期雇用・生涯で一つの会社に勤めるのが今まで当たり前だった日本の文化では仕方のないことでした。

しかし、アメリカのシリコンバレー、中国の深圳、シンガポール、マレーシア、イスラエルなど、起業や、合併に意欲的な国、地域、企業は、経済の賑わいを見せています。

日本はものづくりが得意です。AI化やロボット化が進む中、ものづくりが得意な日本は他の国よりも有利に立てるはず。

AI、ビッグデータ、STEM教育、ロボット開発といった最先端分野を、ドラマ作りにも生かすことができると思うのですが。ドラマは人に影響を与えます。人に行動を起こさせる力がある。

テレビ局にとってドラマ作りは大変だと思いますが、今後のドラマ作りに期待を寄せています。リッチマン、プアウーマンを超えるようなドラマが生まれることを♪