もしもルフィーが超慎重派だったら
「まずは航海術からだな」
もしもルフィーが超慎重派だったら、航海に出る前、きっとこんなセリフになるのでしょう。
実際は
「海賊王にオレはなる!」
です。超行動派のルフィは航海術も海賊としての知識もなく、ただ体がゴムのように伸びるという能力だけをひっさげて航海の冒険に出ます。航海術も知らないので、いきなり渦に巻き込まれてしまいますが、運良く助かって、仲間が徐々に集まり、結果として大物海賊の仲間入りを果たしました。
しかし、もしルフィーが超行動派ではなく、超慎重派だったら。そしたらきっと、まずは事前に航海術を勉強するか、旅に出る前に航海士を仲間にしてから旅だったはずです。
お金もない状態からなので、航海士を仲間にするのではなく、きっと自分で航海術を勉強するでしょう。まずはきっと街の図書館に行って、航海術の本でも探すのでしょうか。
「やっぱり金だな。図書館で借りるのは手間だし、自分で一冊か二冊ほど買っておくか。まずはオソノさんあたりに金を借りられるか相談して、それから…」
そうして、ルフィの資金集めが始まります。オソノさんや市長とのコネで一定の資金が集まり、航海術も学んだルフィーは近くの島まで一人で航海をすることになります。本来は17歳で旅立つルフィーですが、航海術を独学で1年、航海術を習える教室で2年の修行を積み、資金調達や諸々の準備で、旅立つ時には20歳になっていました。
超慎重派のルフィーの目標はまずは「イーストブルーの賞金首ベスト10の仲間入りを果たすこと」。超慎重派なので、海賊王なんて口が裂けても言いません。グランドラインには行きたいと考えていますが、最低限でもグランドラインにいる猛者たちの情報を集め、資金集めを継続し、能力の高い仲間を集める計画を立ててから実践です。
慎重に行動したため、危険なこともあまりなく航海は進みます。海上レストランバラティエでドン・クリークと遭遇した時は、
「敵に回したら面倒だ。仲間のフリをした後に逃げるのが得策」と考える始末。
ドン・クリークと結託し、オーナーゼフから海賊日誌を奪ってしまいます。もちろんサンジは仲間になりません。その後ドン・クリークのスキを狙って海賊日誌を奪い、ルフィーはドン・クリークを毒殺します。本来は真正面から戦って勝てた相手なのに。
ドン・クリークを倒したことでかなりの知名度を得ることができたルフィーは仲間集めも順調に進み、気がつけば懸賞金はイーストブルーで名高い魚人海賊団のアーロンと並ぶほどになりました。
一定の知名度も、仲間も、財も得たルフィーですが、オーナーゼフの海賊日誌を読み、考えを改めます。
「グランドライン…ハンパねー。もう一回、計画の立て直しだな」
グランドラインの熾烈さを痛感したルフィーは、まず次の5点の強化を図ります。
①悪魔の実の研究
②覇気と言われる能力の研究と、能力習得にかかるコスト・時間
③世界三大兵器と言われる存在の確認と対応
④グランドライン、新世界方面における海軍の動向
⑤グランドライン、新世界の天候と異常気象のデータ
特に新世界での情報収集や対応に深刻な準備不足を感じたルフィは、読みの甘さを痛感し、集めた仲間(推定80人)にこう切り出します。
「野郎ども!情報収集を始めとする準備不足によるため、航海を一時中断、解散とする。詳細は追ってデンデン虫LINEにて連絡する!おおよそ10年後を目安の再結成とする!以上!尚、海賊保険については…」
いーやー!!こんなルフィー嫌だー!!書いてて嫌になりました。なんか書きながらネガティブになってきます。ネガティブホロウにやられた気分ですw
やっぱりルフィはなんといっても行動力!後先考えずに突っ走る姿に魅かれるんですよね。実際は海賊にしろ、実社会にしろ、計画を立てることは大切です。しかし、計画を立てるばかりで行動をしなくては、冒険も仕事も始まりません。
漫画やアニメの主人公たちはその行動力で私たちを勇気づけてくれます。行動することで開けてくる道があることを教えてくれます。
「海賊王にオレはなる!」。海賊王になれる保証なんてどこにもありません。しかし、ルフィは航海術も持たずに冒険に出ます。結果として新世界で大活躍です。
現実社会でも、お金持ちや起業家、好きなことを仕事にしている人など、いわゆる成功者たちは、準備以上に、行動を真っ先にした人たちであったはずです。むしろ行動しながら勉強をした人たちであったはずです。
超慎重派のルフィーは航海術を計3年勉強した後に旅立ちますが、間をとるならば、せめて3日で最低限の知識を頭に入れ、後は航海をしながら勉強することもできたのではないでしょうか。
実際、3年の勉強や準備をしたのに行動できない人もいれば、はじめから計画を立てようともしない人。勉強や準備もしない人が多いのが現実です。
でも、行動しない人が多いのであれば、自分は行動することで成功できる確率は高くなります。それであれば、やるしかない!